ロイヤルオペラハウス(以下ROH)の秋からの切符を昨日申し込みました。


残り3つは、さあ何でしょうか?

③ ワーグナーの「ジークフリート」  ニーベルングの指環第三夜


ワーグナー・・。・・・・・・・。 zzzz zzzz zzzzzz。

ROH以外では今まで一度もワーグナーをちゃんと観たことないなあ。チャレンジに見はじめたことは何度もあるんだけど、いつも途中で退屈して寝ちゃうかギブアップだったもんね。4、5年に前に買った「タンホイザー」のDVDなんか自慢じゃないけどいまだに箱開けたことすらないわ。

でも、ROHでやってくれるときは、セロテープで瞼が閉じないよう貼り付けてでも、お尻が痛くなっても、5時間、慎んで真剣に聴かせて頂きます! まあちょっと居眠りしても、盛り上がるアリアがないから見逃して惜しい場面はあまり無いし、うとうとする前と同じ人が同じ場所で歌ってるからそんなに必死で目を覚ましてなくてもいいんだけどね。

半分の長さだったらいいのに、といつも思うけど、半分寝ちゃうんなら同じか。うつらうつらしながら素晴らしい音楽を聴くのは極楽だもんね。ワグナーの音楽はまさに極楽向けの最上の美しさ。私もオペラ修練をすれば、いつかバイロイトで四夜連続で「リング」を聴くのが(こくりともせずに)至上の喜びになるんだろうか? なるかもしれないし、ならないかもしれない。


今年からはじまったROHのリングシリーズでは、ウェールズ人のバリトン、ブリン・ターフェルがはじめてヴォータン役(主役の神様)に挑戦したのが注目を浴び、1作目2作目とも期待通りの成果を収めたけど、まだ3作目は習得してないんだろうか、今回は彼ではなく、バイロイトでここ10年程ヴォータン第一人者として活躍してきたイギリス人のジョン・トムリンソン。60歳前後のトムリンソンは何度も聴いてその声量にはいつも驚嘆するけど、やはり一度ヴォータンで聴いてみたかったので、衰える前に聴く機会があってよかった。


ワーグナー鑑賞は体力勝負だし、正面に座らないとしんどい。この前ワルキューレを横の席で5時間半観たら一週間腰が痛かったもんね。折角会社を半日休んでいくことだし(はじまるの早いから)、いつもより奮発しないとね。



④ カール・ニールセンの「Maskarade」

このオペラの定着した日本語題名あるとは思えないけど、「偽り」と意味で、素性を隠すこと。仮面舞踏会という意味にもなり得る、と私の生きた専属辞書であるトーチャンが言ってました。カーペンターズが有名にしたスタンダードナンバーもありますよね。

ニールセンはデンマーク人ではもっとも有名な作曲家(というか他には知らない)。交響曲中心の彼がオペラ書いたなんて知ってる人はデンマーク以外にはいなかったと思う。これはデンマークでは人気のあるコメディオペラだそうだ。でもそれなら英語版じゃなくてデンマーク語でやってよね、と言いたい。歌手は知らない人ばかりだから、きっとデンマークではこれを歌って知られてる人たちなんだろうけど、それなら余計、そのままやればもっと生き生きするのにね。

歌詞を翻訳するのは私は大嫌い。本来の言葉の響きにメロディを付けてるんだから、変えたらぶち壊しよ。それともこのオペラを世界的に広めようという計画なんだろうか? そのためには英語にしちゃうのが一番、という気持ちはわかるけど、私は断固反対。 


⑤ マイケル・ティペットの「真夏の夜の結婚」

今年は英国人の現代作曲家ティペットの生誕100年なので、あちこちで彼の作品を紹介してる。先週はニューヨークのメトロポリタンオペラハウスでも彼のこれとはちがうオペラをやってた。ROHには50年前にここで世界プレミアをしたこのオペラがあるので、ちょうどいいやと久し振りに引っ張りだすことにしたようだ。

実はティペットの音楽は聴いたことがない。機会がなかったわけではなくて避けてたからだ。トーチャンが「不快な音楽だから聴きたくない」と随分前に言ったのを聞いて以来、ずっと食わず嫌い。でも今回は行ってみようじゃないですか。稀なチャンスだしね。



と言うことで、5つのオペラのうちビデオで観たことのあるのがひとつだけ。後ははじめてだし、どんな音楽なのか想像もつかないのもあって、楽しみでもあり(いつもトスカやアイーダじゃあ飽きるもんね)、ちょっと失望でもあり(知ってるので生で観たいのは山程あるのに)。