5月5日はイギリスの総選挙でした。ブレア首相率いる労働党が辛勝したことはご存知でしょうが、日本人には信じられないような選挙権のはなしを聞いてください。
選挙はいつも木曜日に行われ、朝7時から夜10時まで投票所はオープンしてます。でも私は行きませんでした。外国人には選挙権がないからです。20数年間も高い税金を払って失業者を養っていても、外国人は外国人、仕方ないですね。

ところが、投票しようと思えばできるんですね、これが。もちろん違法ですが、わりと簡単にできてしまいます。日本のような戸籍も住民票もないイギリスで選挙人名簿はどうやって作るかと言うと、自分申告で登録するのです。時々家に登録用紙が送られてきて名前と住所を書き込むのですが、何も身分証明を添付するわけではないので、私の名前も入れても、英国民かどうかチェックできる筈がありません。条件をろくに読まずに無知で書いてしまう外国人もいるでしょう。
理由はなんであれもし私が違法と知りつつそうしてもまだ国籍を誤魔化すだけでまだかわいいものですが、中にはインチキでて存在しない人まででっち上げで書く人もいるようです。15人とか登録してた普通サイズの家もあったと新聞で読みました。それ以上増やすとさすがに怪しまれるのかもしれません。最近問題視されているので。

そして当日は郵送された投票券を持って、学校とかの投票所に行くのですが、そこでも身分証明提示は求められません。もっとも私の場合このルックスでは怪しまれる可能性はあるような気もしますが、白人ばかり住んでいる田舎ならいざ知らず、外国人ばかりのこの地域ではまず誰も気にも留めないでしょう。
しかし、それでも投票所に出向くのはちょっとこわいし、存在しない人を装って何度も同じが人が行くと係員にばれてしまう恐れは充分あるため、投票詐欺にとってもっと安全な方法は郵送による投票です。これは最近飛躍的に増えているそうで、行くのが不便だからという正当な理由が多いのでしょうが、これが詐欺の温床になっているので見直す必要があると言われています。

尚、英国民でも登録を怠ると投票はできません。日本のように放ってておいてもお役所から親切に、はい選挙、はい子供の入学などど知らせが届くことはないので、子供の学校も近所の公立小学校であっても自分で手配しなくてはなりません。それでは人口とかどうやって把握するのかというと、何年かに一度行われる国勢調査というのでしょうか、これもまた各家庭に質問状が来て自己申告です。

日本のような便利な戸籍があれば解決するのにと当然思われるでしょうし、国民IDという案もあるのですが、それはプライバシーの侵害、管理社会への第一歩という抵抗感が根強くあるようです。
                                                                                       
余談: もし私の選挙区が接戦地域で、かつ私がどうしても当選させたい候補者がいれば違法で選挙人登録をするかもしれないけど、曲がったことは大嫌いなオットが許してくれないかもしれません。「正直者がバカを見る」と絵に描いたような人だから。「嘘も方便」という普通の常識を持つ私とは時々揉めます。)