4月24日にロイヤルオペラハウスでプッチーニのジャンニ・スキッキとラヴェルのスペインの時の2度目に行ったときのことをまだ書いてませんでしたので、遅まきながら、簡単に。


2度目だと、新鮮味がない点では当然つまんないのですが、良い点も勿論あって、それは字幕をほとんど見ずに演技と歌に集中できることで、それで前回気がつかなかった細かいを発見することもあります。それに良いものは2度見ても素晴らしいし、2度目だからこそわかる良さもあるわけですしね。第一、歌の出来の良し悪しは毎回ちがうことた多いので、ちっとも退屈はしません。

できればちがう角度から見たいのですが、今回はまた同じ高さと方向のupperslipsだったので、カーテンコールの写真も前回とほぼ同じでこれでは差が全然わからないでしょうね。残~念~!

筋書き等は4月7日の一回目 を読んで頂くとして、


Director: Richard Jones
Set designs: John Macfarlane
Costume designs: Nicky Gillibrand

1 L'Heure Espagnole (スペインの時) 

Torquemada(時計屋): Bonaventura Bottone
Concepcion(時計屋の女房): Christine Rice
Gonzalve(詩人): Yann Beuron
Ramiro(騾馬使い): Christopher Maltman
Don Inigo Gomez(銀行家: Andrew Shore


5人共同じメンバーでしたが、皆さん素晴らしいパフォーマンスで文句のつけようもなし。

前回ちょっと声が濁っていた気障な詩人役のヤン・ブロンもガルニエ版映像のときほどの張りはなかったものの今回は合格点を差し上げましょう。

欲求不満女房のクリスティーン・ライスは、前回も思ったのですが、贅沢言うと、ちょっとまじめ過ぎるのが残念で、折角派手な衣装とメーキャップなのだから、もっと大袈裟にドタバタ喜劇してくれてもいいのにな、と。


クリストファー・マルトマンが大きな時計を軽々と持ち上げる場面で「おぉーっ!」という歓声が起こったのも前回と同じ。最終日だったけど初めての人が多かったんですね(当たり前か)。



2 Gianni Schicchi 

Gianni Schicchi: Bryn Terfel
Lauretta: Dina Kuznetsova
Zita: Elena Zilio
Rinuccio: Saimir Pirgu
Gherardo: Jeffrey Lloyd Roberts
Nella: Joan Rodgers
Betto di Signa: Jeremy White
Simone: Gwynne Howell
Marco: Christopher Purves
La Ciesca: Marie McLaughlin
Maestro Spinelloccio: Henry Waddington
Ser Amantio di Nicolao: Enrico Fissore
Pinellino: Nicholas Garrett
Guccio: Paul Goodwin-Groen



ブリン・ターフェルのジャンニ・スキッキはTシャツGパンに野球帽みたいのを被っていて、まるでトラックの運ちゃん風。この新プロダクションはまだ40歳を越したばかりのターフェルをイメージに置いて衣装も作られたのかも知れないけど、こんな若いいでたちのスキッキにしてしまって、いつか初老のおっさん歌手(こちらが普通でしょうが)が演じるときに違和感感じると思うわ~。


前回アリアの聴かせどころで急にガラガラ声になってしまった若いテノールSaimir Pirgu は今回は普通に声が出たけど、失敗を怖がったせいかなんだか慎重過ぎて小さくまとまってしまったような。緊張して声も硬かった。役を選ばないとトップグループに入れないよ。


カチンコプッチーニの三部作(@メト)映画


このジャンニ・スキッキ、折りしも4月28日にNYメトのマチネでやっていたので、ラジオの生放送で聞いたのですが、うっかりしてて映画館での上映を見逃してしまいました。しょぼん


日本での上映が5月なのでてっきり5月だと思い込んでいて、当日「さあ、今日は何のオペラだったかしらん?」とラジオ付けたらプッチーにの三部作。しまった!これは観にいこうと思ってたののに。


ロンドンでは録画ではなくて本当にリアルタイムのを見せてくれるらしい事とどこの映画館でやるのかを先回フロレスの「セヴィリアの理髪師」を見逃したときにやっとわかったのに、いかんいかん、(いつものことだけど)早合点のうろ覚え。


ジャンニ・スキッキは短いオペラなのですが、ほんとうは三部作の最後の部分であり、それぞれ関連のない独立した話ではあっても三つ一緒にやるのがプッチーニの意図だし、ダンテの神曲絡みで一応つながりもあるらしいので、一度ぜひ続けて(映像付きで)観たいと思っていたのです。

一流歌手がたくさん必要なので、滅多にやってくれないんですが、さすがメト、今回もMグレギーナ、Bフリットリ、Sリチとラ等々、コベントガーデンではまず実現しそうもない豪華顔ぶれでやってくれたんです。折角それを生中継で観る機会があったというのに、お馬鹿な私汗 


その日のジャンニ・スキッキはAコルベッリで、彼はROHにもよく出るので(最近では連隊の娘)、この役も想像はつくし見逃しても惜しくはないですが、1部の「外套」と2部の「修道女アンジェリカ」は映像付きで見たかった・・・。ま、そのうちDVDにもなるんでしょうが。


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