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11月24日、当日思い立って、ミュージカルPiafを観に行きました。


今月初めにモンマルトルのシャンソニエ にまで行ったのに歌がイマイチの出演者ばかりでがっかりして以来気持ちがくすぶってたので、ピアフ役がとても評判の良いこのミュージカルなら、きっと上手なシャンソンに酔いしれることができるでしょう、としっかり期待して。


でも、ミュージカルなんてほとんど行かない私は(「オペラ見出したらミュージカルなんか、たぁけらして観とれすか!」とつい名古屋弁で言いたくなる)、どうやって切符を買ったらいいのかすらわからないのですが、とりあえずレスター・スクエアにある有名な当日半額チケットを売る掘立て小屋に初めて行ってみました。


5時45分くらいでしたが、誰も並んでいない売り場であっさりと良い席が半額で買えました。25.5ポンドで前から3列目。



時計開演までにはまだ2時間もあるので、すぐ近くのピカデリーへ。


キラキラリージェント・ストリートのクリスマス・イルミネーションは、シンプルだけどまあまあでしょうか? 少なくとも去年とはちがいます(よね?) オックスフォード・ストリートは同じだったけど。


ピカデリーのジャパン・センターで軽く夕食してから長々と日本の本を立ち読みして、それなりに充実した時間を持てました。

私は文字通り立ってましたが、ずっと椅子に座ってタダ読みしてる人もいた・・・。


まだ7時過ぎだというのに誰もいなくて暗くて淋しいトラファルガー・スクエアをり抜けて、


ストランドにあるVoudeville Threatreへ。






もちろん初めてだけど、こじんまりして古ぼけてて、ゴージャスな気分にはなれません。オケピットも無し。


  




 ミュージカルではカーテンコールでも写真はまじに厳禁らしいのですが(いえ、オペラハウスでも一応駄目ですよ、というアナウンスはあるんですけどね)、開演前にこっそり下から一枚盗み撮りカメラ 



グレー一色の暗~い舞台で、大道具は一切なしという経費節約舞台セット。30年前のプロダクションの再演だそうですが、さもありなんという古めかしい設え。



今回はロンドンの隅っこの倉庫でやっていたのを評判が良かったのでウエストエンド(NYだとブロードウェイね)で100回限定でパフォーマンすることになったんだそうです(長期上演が当たり前のウエストエンドでこれは特殊なケースでしょう)。


(ロンドンの隅っこというのは私の思い込みによる誤解で、Donmar Warehouseはオペラハウスのすぐ近くにあるんだそうですので、訂正します)


評判になった理由は、エディット・ピアフ役のElena Roger。蓮っ葉な英語な台詞がとても上手なので英国人かと思ったら、アルゼンチン人なんだそうで、142センチしかなかった本物のピアフほど小さくはないものの、とても小柄なところがまずピアフ向き。

貧弱な体とカギ鼻の全然美しくないけど、歌も芝居も評判通り上手ですごい迫力で、少女時代から死ぬところまでをずっと出ずっぱりで大熱演。


出演者全部が歌も芝居もすごく上手だったわけではないけれど、大道具はなくてもライトと音響効果とテンポの早い進め方で、緻密によく出来た作品です。


私の席は舞台から2、3メートルなので細かいところまでよく見えたし、こんな良い席が当日買えて本当にラッキー。近過ぎて、舞台で誰かがほとんどずっと吸ってるタバコや葉巻の匂いは極めて不快だったけどむっ


それで、期待通りに満足できたかと言う肝心な点はというと・・・、


ウエストエンドらしい華やかで大規模なプロダクションではなくて、伴奏もカラオケなのは文句言いますまい(舞台の奥で時折ピアノとアコーディオンの生伴奏はあったけど)、


同じ役者が何役もやる上に、プロデューサーの好みなのか、同じタイプの人が多くてわかりづらいのもまあ我慢しましょう、


ダウン だけど、


これでは歌が少な過ぎる!


・・・って、ただ私の希望した趣向とちがうというだけなので、辛い点は付けないし、カーテンコールがやんやのスタンディング・オベーションだったのもうなづけるけど、


ブーケ2私は素敵なシャンソンをたっぷり聴きたかったのにぃ~むかっ


そしてエレーナ・ロジャーは折角充分上手なのにぃ~むかっ


芝居の間に一曲歌うと又すぐピアフの人生ドラマに戻ってしまうので、何度もがっかりしたこと。


ピアフの波乱万丈の人生なんか今さら再現してもらわなくていいのよ、私は。 (そういうのは映画にまかせましょう)。


酒とクスリに溺れ、男漁りも激しかった彼女のやるせない人生を見せられて、この暗いご時勢だってのに、また暗い気持ちになってしまったじゃないのよガーン



やや欠け月一気に盛り上げるため休憩なしで1時間半ちょっとで終わったので、まだ9時半前。


帰りはコベントガーデンのマーケットに寄ったら、もちろん誰もいないけど、クリスマスのイルミネーションはまだオンになってて、青い照明の天井と電気で光るメタルの棒が無数にぶら下がってるのがとても綺麗でした。


 


しかし、コベントガーデンと言えばもちろんロイヤルオペラハウス。


Rシュトラウスのエレクトラの最終日だったんだけど、やっぱり今夜はもう一度これを観に行けばよかった・・・


エレクトラはピアフとは比べ物にならないくらい壮絶な愛と死のドラマだし、大編成のオーケストラとミュージカル歌手とは比べるのも申し訳ないオペラ歌手たちがもっと安く今日は10ポンドの立見席が買えた)壮麗なオペラハウスで聴けるんですもの、


やっぱミュージカルよりオペラの方が、スケールでかいし、才能ある人が出るし、絶対いいわああああ!


ヘッドフォン仕方がないので、シャンソンは、たくさん持ってるCDで聴くことにしましょ。


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