10月15日にロイヤルオペラハウスでMozart 250th Anniversary Celebrationというイベントがありました。
今年はもうモーツァルト漬けでいい加減ウンザリしてるのに、今頃やるの??
しかもこの二流メンバーで??
この手のコンサートは、各オペラハウスやコンサートホールがいかに威信を賭けて一流アーチストを集めるかによると思うんだけどねえ。こんなのしかできないのならやらない方がましじゃないの?
他のオペラハウスで何をやったか知らないけど、比べられたら恥ずかしくない? 一応世界有数のオペラハウスと言われてるコベントガーデンなんだからさあ、目玉歌手出さなくちゃ。大スターが無理ならせめて中スターくらい。
で、どんな人たちだったかと言うと、
指揮者 Sir John Eliot Gardner
オーケストラ English Baroque Soloists
コーラス Monteverdi Chior
ソプラノ Anna Chierichetti, Elin Manahan Thomas, Camila Tilling,
メゾソプラノ LinaMarkeby, Anne Mason
テノール Kurt Streit, Nicholas Watts,
バリトン&バス Christopher Maltman, Kyle ketelsen, Matthew Brrok, Julian Clarkson,
Brindley Sherratt
切符を売り出すときはSophie KochとPatrizia Biccireが入ってたけど、いつのまにか消えてました。知名度と実力ナンバーワンのKochがいなくなっちゃ目も当てられないわ。つい最近モーツァルトの無名の作品「偽の女庭師」とROHでやったときはこの二人はちゃんと予定通り出てたのにね。
普通この手のガラコンサートは、人気アリアのオンパレードになるんだけど、今回はそうではなく、いわばオペラのつなぎのアンサンブル曲ばかり。このメンバーでは大きなアリアは無理だから方向転換したんだろうか?それとも最初からアンサンブルばかりやろうとした結果がこの顔ぶれなんだろうか?Sophie Kochが出てたら、ケルビーノのアリアくらい歌ってくれたのだろうか?
三分の一くらいは歌無し序曲で水増しをするのかと思ったら、序曲は短いのひとつだけで、後は全部歌だったのはさすがオペラハウスと感心はしたものの、コンサート形式とは言え結構お芝居もしてくれたのに(これはありがたいことだけど)、オペラの内容がわからなくてそこだけ取り出して聴かせてくれても全然理解できなくて楽しみも半減。そういう選曲と事前に知っていたら予習をして、一緒に行ってくださった三人の方に説明もできたのに・・・
要するに、コンサートとしてあまり期待はせず、着物イベント夕食イベントにしてしまったために肝心のことがおろそかになってしまったってことで、恐縮&反省してます。(着物イベント とレストラン選びは成功)
やってくれたのは、ドン・ジョバンニ、フィガロの結婚、魔笛、コジ・ファン・ツゥッテ、皇帝ティトーの慈悲、イドメネオ、後宮からの脱出。
期待が低かったの分失望もしなかったわけで、この人たちならまあこんなものでしょうというパフォーマンスだったけど、失望したのはChristoper Maltman。調子が悪かったのか、声量がなくて、最近のROHの7月のフィガロの結婚 のあのぱっとしなかったフィガロのバリトンKyle Letelsenに負けてた。最近のROHでのふたつのオペラのパフォーマンス(ドン・パスクァーレ と偽の女庭師 )がとてもよかったので評価をぐんと上げたのに、これで又逆戻り。
ドン・ジョバンニ、パパゲーノ、フィガロの結婚の伯爵、コジのフェルランドとたくさん歌ってくれた彼の出来がもっとよかったら、この夜の水準はずっと上がったのに残念なことでした。
私の好きなKurt Streitは出番も少なくてどうってことなかったし、華やかな金髪美人のCamila Tillingは女性の中では一番よかったけど、芝居と美貌を勘定に入れないとまだ一流の域には達していないかな、と。
しかし、upper slipsで僅か5ポンドでしたからね、その分はもちろん充分過ぎるほどエンジョイしました。
後で知ったのですが、これはMontevrdi Choir & Orchestra (John Eliot Gardnerが42年前に設立)の資金集めが目的のコンサートであり、ロイヤルオペラハウスのイベントではなかったようです。歌手の皆さんもギャラ無し出演だったそうな。
古楽オケもロンドンにはいくつかあって、運営は苦しいにちがいありません。このコンサートも空席が目立ちました。
こんな外部のイベントもするんだ~。ちょっと騙されたような気がしないでもない・・・
でもほとんどの方、タダ働きでもここで歌えてよかったですよね。(クリックで拡大します)
↑ どこをクリックするかよくわかるように、火を付けてみましたので、よろしくお願いしますね。